【離婚のカタチ】離婚成立はゴールじゃない!? 離婚成立後にすべき手続きと注意点

この記事を読むと分かること
離婚成立で終わりじゃない? 姓や住所、身分証、保険・年金、銀行口座など、離婚後に必要となるさまざまな手続きと優先順位、さらに不倫相手への慰謝料請求まで漫画でわかりやすく紹介します。
提供:株式会社朝日新聞社/©赤ネコ
離婚事件対決 コン弁護士vsポン弁護士
離婚にまつわる疑問を漫画で学べる連載「離婚事件対決 コン弁護士vsポン弁護士」。最終回のテーマは「離婚後の手続き」です。
離婚が成立して一安心……と思いきや、実はそこからが本番。新しい生活を始めるためには、膨大な事務手続きが待ち構えています。離婚後に必要な手続きの優先順位や見落としがちな注意点を、弁護士兼マンガ家の赤ネコさんが分かりやすく解説します。
離婚後に待ち受ける現実

離婚裁判を経て、ようやく離婚が成立した梨沙(りさ、34歳)さんと草太(そうた、32歳)さん。財産分与の割合を巡る長期間の争いに終止符が打たれ、二人はついに新しい人生のスタートを切ることになりました。
望みどおりに離婚が決まった草太さんは、浮気相手との新生活を夢見ていました。しかし、現実は「思い描いていたもの」とは違っていたようです。
離婚後、浮気相手との楽しい生活を想像していた草太さんでしたが、いざとなると相手から同居を断られてしまいました。夢見ていた未来は幻となり、草太さんは独りぼっちに……。
自業自得とはいえ、離婚後の草太さんを待っているのは、新居探しや引っ越し準備、そして並行して押し寄せる膨大な事務手続きです。特に住所の変更に伴う手続きは多岐にわたります。手続きをしないと生活に支障をきたすものや、期限が定められているものも多いため、速やかな対応が求められます。
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離婚後にすべき手続きとは

離婚後、とくに手続きが増えるケース
離婚後は様々な手続きに追われますが、梨沙さんのように結婚時に姓を変え、離婚して旧姓に戻す場合は、やるべきことがさらに多くなります。これまでの生活で「名前」や「住所」を登録してきたものは、原則としてすべて変更が必要です。その数はかなりのものになるでしょう。
なかでも、運転免許証などの「本人確認書類」の更新は最優先事項です。これらが旧姓のままだと、銀行口座やスマホの名義変更といった他の手続きも進められず、日常生活に大きな支障が出てしまいます。離婚後は抜け漏れがないよう、優先順位をしっかりとつけて進めていくことが重要です。
具体的には、以下のような手続きが必要になります。
【最優先:公的な身分証明書の手続き】
まずは他の手続きの「身分証明」として必要になるものから更新しましょう。
- マイナンバーカード
- 運転免許証
- パスポートなど
【社会保険・年金の手続き】
会社員、自営業など、働き方や立場によって手続きは異なります。配偶者の扶養に入っていた場合は、特に早急な対応が必要です。
【生活インフラ・財産に関する手続き】
毎日の生活に関わるものや、財産の名義を整えます。
- 財産分与に伴う名義変更
- 銀行口座やクレジットカードの氏名変更、保険金の受取人変更
- 水道、ガス、電気、電話などの契約者変更または新規契約
- 旧住所から新住所への転送届を提出など
【子どもに関する手続き】
子どもがいる場合、自分と同じ戸籍・名字にし、扶養家族に加えるには以下の手続きが必要です。
- 戸籍・姓の変更
- 学校や保育園、習い事の変更
- 児童手当の受取人変更や、児童扶養手当の申請など
姓を戻すか、扶養家族がいるかなど、置かれた状況によって必要な手続きは人それぞれです。抜け漏れがないよう、期限内に一つずつ進めていきましょう。 状況別の詳しい「やることリスト」については、下記の関連記事も参考にしてください。
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最後の戦い、不倫相手への慰謝料請求へ
山のような手続きに追われる梨沙さんですが、最後に「不倫相手への慰謝料請求」を決意します。
不倫相手への慰謝料請求は、離婚前でも離婚後でも可能です。離婚裁判を担当した弁護士に引き続き依頼することもできますし、新たに別の弁護士を探すこともできます。離婚時の担当弁護士に依頼すれば、これまでの経緯や証拠をすべて把握しているため、やり取りが非常にスムーズに進むという利点があります。
また、離婚が成立した後に請求を行う場合、「不倫が原因で婚姻関係が破綻し、離婚に至った」という事実が明確になるため、離婚せずに請求する場合よりも慰謝料が増額されやすくなるメリットがあります。離婚後の新生活は、何かとお金がかかるものです。正当に受け取れる権利のあるお金は、妥協せずしっかりと確保していきましょう。梨沙さんも、新たな未来に向けて前向きな一歩を踏み出したようですね。
弁護士は、単に離婚を成立させるだけではありません。「何を・いつ・どこで手続きすべきか」といった離婚後のアドバイスも、心強いフォローとして行ってくれます。離婚の相談から、離婚成立後の再スタートまで、弁護士はあなたの人生の伴走者になってくれるはずです。手続きに迷ったときや、次のステップへ進みたいときは、離婚問題に強い弁護士に相談してみてください。
(記事は2026年1月1日時点の情報に基づいています)
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この記事を書いた人

赤ネコ
マルチクリエーター。イラストやキャラクターデザイン、漫画・シナリオ制作。著書に『マンガ 弁護士のための史上最悪の離婚事件』(学陽書房)『Constitution girls 日本国憲法』(PHP)『司法修習QUEST~弁護士になるまでに』(新書館)『法律擬人化! 赤ネコ式六法全書』(マイナビ出版)など。第二東京弁護士会所属。赤ネコ法律事務所所長(この名前の法律事務所は実在します)。第二東京弁護士会仲裁センターあっせん人。
